まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。
本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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久方ぶりございます。
フレーバーティーを寒天で固めてみました。 ~桜庭撫子:安らぎ~
遺跡外の取引とかは、オッサンと碧にほぼ丸投げしておいた。 いつもは私が陣頭指揮を取ったりするもんなんだけど、 今は到底そんな事をする余裕がない。 そして、束の間の休息と思われた遺跡外の時間はあっという間に流れて、 私達は無言のまま再び遺跡に入った。 パーティーを組むように勧められたけれどそれも断った。 とにかく一人になりたかった。 腫れものに触れるように扱われるのが嫌だった。 特に碧は事情を知ってる分、私に対して気を使っている。 その事実がたまらなく私の自尊心に傷をつけた。 そんなどうしようもない感情を抱えながら、私は一面に広がる草原を歩いてゆく。 ★★ ――こんなに無口だったのは、私の人生初なのではないか。 そんな阿呆な事を考えながら、私は空を見上げる。 穏やかに輝く太陽。暖かな日差しは眩しく緑を照らす。 この光景を見る限り、ここが遺跡の地下2階だとは到底思えない。 あの時から私は、ずっと下ばかり見ていた。 彼に背を向けて数日、日の光を実感したのは久方ぶりだった。 とっくに踏ん切りはつけたと思っていたが、 私の心は思った以上に傷つくように出来ているらしい。 思いっきりフラれた。それはもう見事に。 舞い上がっていた私が馬鹿だと言えばそれまでだが、 自分の想いが相手の重荷になっていた事実は私を締め付けた。 それくらい、私は盲目だった。 自分の勝手さに腹が立った。自分自身を抉ってやりたいと思った。 何度か武器に手が伸びそうになるが、 その度武器に埋められている紅と蒼の玉が私にこう囁く。 ――これ以上、彼を苦しめるの……?―― どこか懐かしいその声に、私は手を止める。 確かにここで私が自分自身に武器を振りおろしたとしても、 周りに迷惑をかけるだけだ。 碧にも、オッサンにも、ハミ先生にも……あの人にも。 やりきれない想いが、胸を焦がす。 私の瞳から何度目かの雫が零れ落ちた。 思わず私は腕をこすり涙を拭いた。これも何回目だろうか。 するとふいに、彼の声が頭をよぎった。 『……あぁそんなにこすっちゃあ駄目だ、目に悪い。』 優しさに満ちた声。もう二度と、聞けないであろう声。 もう二度と、恐らく永遠に―― そう思うと、胸の奥が強く握り潰された。 助けて、誰か、助けて――! 「自分の思う通りにやればいい。走って足掻いてそれでも駄目なら、一緒に泣こう。」 ふいに懐かしい声が聞こえる。私はとっさに声が聞こえた方向へ振り向いた。 そこには―― 枝一杯に花を咲かせた、大きな枝垂れ桜が風に揺れていた。 ★★★ これは何かの幻影だろうか。 私は目の前の光景に目を奪われながらも、信じられずにいた。 先ほどまでここには一面の草原しかなかった筈だ。 こんな巨木、あったら気がつかないわけはない。 「何驚いているのさ、言ったろう?一緒に泣いてやるって。」 木の根元に、女の人が立っていた。私は目を大きく見開く。 結われた珊瑚色の髪が枝と同じくそよ風に靡いた。緋色の眼が少し緩む。 「……アナーニャ!!」 そう叫んだ時にはもう彼女の元へ駆け出していた。 ★★ 私はアナーニャの胸を借りて声をあげ泣いた。 時が経つのなんて全く気にすることもなく。ただただ自分の中に溜まった膿を吐き出すように。 ひとしきり泣いた後、私は止まらない涙を手の平ですくった。 「それにしてもアナーニャ、貴女が何故ここに?」 そうだ。アナーニャは元来私の躰の中で眠っている。 魂だけの存在なので肉体は無いはずだし、私の目の前に現れることも不可能なはずだ。 「ふふ……神様の悪戯って奴だろうかね。 ここの島の住人が花見をするからって、手伝いのために仮初の命を与えられたんだよ。」 ……何なのだろうか、このなんとも言えない遣りきれない感は。 「アンタが複雑な顔をするのも分からないではないけどね、 いいじゃないか。そのお陰で――」 少し考えて、アナーニャは口を綻ばせた。 「アンタと一緒に泣くって約束を、果たすことが出来た。」 私は左の眼からまた雫が零れていくのを感じた。 「この枝垂れ桜はね、異次元に作られた花見会場への入り口さ。 ナコ、アンタもおいで。綺麗なものは魂を洗い流してくれるから。 心を休めることも必要だよ。」 アナーニャがすっと私に向かって手を伸ばす。 私は少し口の端に笑みを乗せて、その手を握り返した。 しばしの間の、安らぎを求めて――。 ---------------------------------------------------- 【Peace of Mind】参加中!ちょっと危ういと思うけど!! PR |
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プロフィール
HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。
京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
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