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  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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姉さんやばいです。(何)
雑感とかお返事とかオフレポとか更新とか溜まりにたまっているのに
HP0の状態で2日ほど爆睡してました。

雑感は更新待ちの時にでも。
オフレポはちょいと画像の入手関連でその後になると思います。
ちなみに、

オウミさんはオフレポを書くのが宿題になっています。
オウミさんはオフレポを書くのが宿題になっています。

重要な事なので、2度言いましたよ。(´ー`)


それでは日記を格納しておきましょう。



瞼を開けると、私は小さな椅子に座らされていた。

目の前にあるのは大きなスクリーン。
映画館にあるもの程大きくはないが、学校の体育館で試写会する位なら容易だろう。
あと私を包むものは――闇、そして静寂。

『さぁ、お客様がお待ちかねだ。早速上映を始めようじゃないか……ヒヒッ。』

どこからか声がする。しわがれた、老人の声だ。
声の発信先を何故か私は気にも止めなかった。

『記憶の底に眠る、追憶映画……しかとご覧あれ。』

老人の言葉とともに私の後ろから光の帯が放たれ、スクリーンに絵を映す。
しかしどこか不鮮明な、ノイズが入ったようなぼやけたような映像だった。

しばらくして、青い髪の少女が現れた。

――お母様……よく……聞いて……この島……宝玉……力……あるの――


音声も小さく、しかも途切れ途切れだ。
しかし私がこの少女を初対面だと思えないのは何故だろう。

――もし……私達……欺かれて……でも……そうじゃ……お母様……傷つけたくない――


ノイズに隠された口元から、少女の言葉は続く。

――宝玉……お母様……絶大なる力……くれる……でも……この島……糧……――


どうもおかしい。
私はこの言葉に懐かしさを感じるのだ。
この少女の事も、どこで会ったかも思い出せないのに。
私が首を捻っていると、画面の少女はいきなり前に進んで来た。


――もしも……宝玉……搾取……なら、この島は……死んでしまうの……!――



最後のワンフレーズだけ鮮明に頭に焼きついた。
聞いた事がある。私はずっと前に、この娘と会ったことが――


場面が変わる。
今度は良く見知った顔が私に話しかけてきた。

――ナコちゃ……宝玉……どうする?――


いつの頃だっただろうか。
ちょっと覚えてはいないが、目の前に映っているのは間違いなく碧である。
包帯を巻いていないのが、妙に新鮮だった。

――そんな……誰……だから……宝玉……行かない……分かった……オウミさん達には――


ノイズが激しくて殆ど聞き取れない。
だがこれは、重要な選択だった筈。まさか――


★★★


咄嗟に眼を開けると、そこにはテントの天井があった。

「そっかぁ……夢かぁ……。」

私は溜息をつき、ころりと左側へ転がる。

考えてみえばどこもかしこもおかしな話だった。
何故映画館のような場所に居たのか、
最初の老人の言葉は何処からか、
そしてあの少女――すべてが脈絡のないパズルのピースだったのだから。

だが少女の話していた内容だけは何故か覚えていた。
確かこの島に来て間もない頃だろうか、私は同じ事を言われた気がする。

藍髪の少女の必死さが、印象的だった。

私は別にこの島の住人ではないのだから、島の寿命云々について直接関わりはない。
力があれば取ればいい、そう考えるのは容易だろう。

しかし、『知った』という事実はどんなに自分を誤魔化したって消せはしない。

私は、宝玉を取る事が島の『滅び』である事を知ってしまった。
知ってしまったからには――自分の『良心』とやらに従うのが人間のあるべき道ではないだろうか。
私もそんなご立派な身分ではないが、自分の心に正直でありたいと思った。
だから――宝玉は取らない事を決めた。

そして後その内容を碧に伝えた。
碧は特に異議などは言わなかった。……まぁ戦う身分じゃないんだから当たり前かもしれないけど。
残ったのはオッサンとハミ先生なんだけど、
オッサンにはこんな事言っても到底理解できないだろうし、
ハミ先生は元々何考えているか常人では分かんないし。
だから、何も知らせない方向でそれとなく宝玉には触れないよう話を合わせるようにした。

宝玉を集めない冒険者は、島の中では稀な方だと思う。
特に遺跡の先を急ぐ人達以外は、大体何かしらの宝玉を持っていた。
そう――戦い抜く力を得るために。
別にそれを非難する気はないし、私の取った道が必ずしも正しいとは限らない。
それでも私は、自分の力のみで戦う事を自分自身で決めた。
その決断に、悔いは――ない。

先日、とある傭兵の人に宝玉の事について聞かれた。
私としては何気ない一言だったのだけど、
その人にとっては仏頂面が豹変する程の事実だったらしい。
私も忘れてしまった事が多いので上手く答えられなかったが、
あれで納得できるものだろうか?

――この島の全ては偽……失われたものの全て――

石碑に書いてあった事を思い出す。この島は、一体――
そう考えかけた所で、私はテントの外から猛しい咆哮を聞いたのだった。

★★

あまりに鬱陶しいので外で何があったのか確認してやる事にした。

すると、巨大な猿と星のデカイのがスクラムを組んでいた。
あの異常な興奮状態からすると、何か獲物でも見つけたのだろうか。
優越に浸りつつ睡眠妨害よろしく吠えまくる猿を見ているとあまりにムカついたので、
テントから武器を持ち出し、真後ろから薙ぎ払ってやった。

……まぁそれから怪物たちがミンチになるまでは省略しておく。

やっと静かになったかとテントに帰ろうとしたら、どこからか声が聞こえた。

「あの……助けてくれて有難い。その、やり過ぎという感も……いや皆まで言うまい。」

振り向いたら、暗赤色の和服を着た黒髪の女の人だった。
着物のところどころが破かれて、傷口から血が滲んでいる。

「遺跡探索?なら止めておいた方がいいわよ。
 あの程度を倒せないんじゃあこの先進んでもろくに収穫ないでしょうし。」

武器を担いだまま、私は答えた。

「……私は探索隊とは今別行動中だ。
 礼を言う……いや、礼になるか微妙だが、一つ情報を提供しよう。」

彼女はたどたどしい口調で言葉を続けようとする。
先ほどの戦闘を見て素で引いたのだろうが、この程度で引くようなら遺跡になんて入らない方がいい。

「宝玉は、集めないことだ。持ち出せば、持ち出すだけ……」
「……島が、滅びる?」

続けて言った私の言葉に、女性は絶句した。
深緑色の瞳を大きく見開いて、何故知っているのかと無言で訴えかけている。

「とっくに知ってるわよ、そんな事。アタシね、情報源には事欠かないの。」
「何?!知っているならどうして……」
「遺跡って宝玉集めないと入っちゃいけないワケ?」

私の問いかけに、また彼女は黙ってしまった。

「謎を解くだけなら宝玉なんて集めなくても自分の力で進んでいけばいい、そうでしょう?」
「フッ、強いのだな、貴女は……宝玉の謎を知りたいと思ったことは?」
「さっきも言ったわよね?宝玉についてはとっくに知ってるって。」

女性は溜息をついた。少し間を置いて、口を開く。

「ならば別の話をしよう……マナについても全て知っているのか?」
「……そうしてそんな事聞くの?」
「腰に引っ掛けている瓶から青白い光を感じる。マナを使ったもののように思えるが?」

私達の間に刹那の沈黙が流れた。私が言葉を紡いだのは、少し経ってからだった。

「――マナを使ったものだったら何なのよ?」

女性は、ゆっくりと息を飲む。


「確証の取れた事実ではないが……マナによって変質した冒険者も居るらしい。」


彼女の言葉は、冷たい刃のように私の心に突き刺さった。



To be continued...

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※今回日記にて鳴尾 恭平様(698)をお借りしました。ありがとうございます!

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桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
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自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
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