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  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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うわぁ、お返事が溜まっているのにやること多すぎだよママン。
もう木曜日なのに日記も書けていないという……。(汗)
京都オフの余韻に浸りすぎましたね。
そしてオフレポ巡りしててエニシダさんのレポまで拝見したのですが、

エニシダさんにまで
「ナコ様」扱いされるのは何でだろうな!!


私は至って普通で地味な人ですよ?いやほんと。
キャラがあんなに偏っているから皆騙されているだけなんですよ。
……まぁ酒好きなのは認めておきます。

さて、ではハロウィン日記:碧編を格納しておきましょう。

~Boys side in halloween party ~



そこは、言葉で表せない位煌びやかな場所だった。

「さて皆様、お待たせ致しました。パーティー開催です!」

イベンターらしき女性の一言で、皆乾杯の杯を挙げる。

パーティー間近になってどっと衣装部屋に人が傾れ込み、
あっという間に仮装して出ていってしまった。
おかげでこちらは、誰がどうだか分からないまま現在に至る。

そういえばナコちゃんも見当たらない。
さっきまで一緒に居たはずなのだが、
お菓子の配布が始まってからはぐれてしまったのだ。
妙にリアルな道化の仮面を被っているのですぐ分かると思ったのだが、
同じような仮面を被っている人に声をかけたら別人だった。

僕も赤かぼちゃの被り物に黒いマントを羽織ったりしているので
向こうも僕とわかるのは難しいだろう。実際同じような格好した人を見たし。
今片目しか見えない上に覗き穴が狭いのでとんでもなく視界が悪い。

それでも有志の人たちが持ってきてくれたパンプキンタルトを頬張りつつ彼女を探す。
有志といえばナコちゃんも手作り菓子を持って行こうとしたが、

「もし向こうで食糧が有り余っていたらどうするの?捨てられるかもしれないよ?」

と、詐欺同然に食中毒テロを阻止した。

また、調理場にも行こうとした彼女だったが、
イベンターのお姉さんが笑みを絶やさないまま

「申し訳ありませんが素人の方を厨房に入れる訳には参りませんわ。
 責任問題になると私が困りますので。」

と何者をも威圧するオーラであのナコちゃんを黙らせた。
僕はこの人に心から拍手を贈りたい。

追憶に思考が飛びそうになっていたその時、妙にひょろ長いパンプキンヘッドを見つけた。
あの体躯、まごまごとしたあの動き。僕にとっては見慣れたものだった。
パンプキンヘッドは何かを迷っているようだったので、僕は近づいて行った。

「オウミさん何やってるんですか。被り物しててもバレバレですよ。」
「ああ、その声は碧君かい?えーと、そうだ。碧君に聞きたいんだけど、
 ナコさんが数日前お菓子の本を読んでいるのを見たんだけれども、
 その……もしかして、ここにお菓子を差しいれたなんてことは……」
「ああ、それは僕が責任を持って止めました。だから大丈夫ですよ。」
「良かった!ここにあるものは全部食べられるんだね!?」
「このフィナンシェなんて絶品ですよ。
 当分僕たちは絶える生活が続くんです。今のうちに美味しいもの食べておきましょう。」

感涙に咽ぶオウミさんを尻目に、僕は再びナコちゃんを探す。
すると、何か固いものに当たった。固いというか、ちょっとザラついたような……
僕はためらいつつズレたマスクを直し、前を見据える。すると――

カジキマグロのような魚が、直立に立っていた。

「ぎょ、魚類!?」
僕は思わず間抜けな声を上げる。魚は鰓のあたりから伸びた手を優雅に振ってみせた。
「リアルに出来てるでしょう?自信作なのですよ、フフ。」
「リアル過ぎですよ!心臓飛び出るかと思いました。」
「ですがこれだとお菓子が食べられませんね。しょうがない、頭を出しますか。」
「これ以上ホラーな展開は止めてください!」
僕はそれだけ言い残すと、その場を離れた。
後々考えてみると失礼な事を言っていると思うが、相手も僕の事を分からないのだからまぁいいだろう。

僕は慌てて、ダンスを踊る幽霊達をかき分ける。
すると今度は、巨大なハエが顔面に貼りついてきた。

「ちょ……!取って取って取って!!誰か取って!!」
あたふたする僕をあざ笑うかのようにハエは羽音を立てる。
「けけけ、トリックオアトリート!はははははっ!」
どこからか少年のような声が聞こえた。多分この子がハエの親分なのだろう。
「笑ってないで、ハエをどかしてよ!」
「何もよきものだけが遊べるわけじゃないんだぞ。ハエだって遊びたいんだ!」
どうやら交渉の余地はないようだ。僕はハエを振り切るように、走ってその場を後にした。

走るのに夢中だったので、今度はど真ん中から誰かにぶつかってしまった。
「すいません!怪我なんかは……」

目の前に現れたのは、マスクを被った殺人鬼だった。

「オイコラ!どこ見てんねん!?アァン?」
「ジェイソンが来てるなんて聞いてないよ!っていうか特攻服?!」
「何ごちゃごちゃ言うてんや。ええか?菓子寄こさなんだら……」
「すいませんすいませんっ!!」
僕はとにかく謝り倒した後、即行で逃げる事にした。

考えてみればハロウィンは仮装パーティーである。普通の格好をしている方が不自然だ。
こういう時こそ心を落ち着かせて……そう、平常心が大事だ。
僕は深く深呼吸をする。さぁ、僕も習慣に倣ってお菓子のトレードをしよう。
そう決心した時に、後ろから声をかけられた。

「お菓子くれなきゃ、どうなるか分かって……」

振り返ると、そこにはフリルとリボンにまみれたミニスカートの熟した魔女が居た。

「ギャー!!」

僕はそのあまりのファーストインパクトに本能的恐怖を覚え、
支離滅裂になりながら走り去った。

★★

――ああ、平常心って難しい。

マスクの中でげっそりやつれた僕は、フラフラと会場を徘徊していた。
これではナコちゃんを探すどころではない。とりあえず栄養を取って休憩しなくては。
近くのテーブルに置いてある、ペンギン型のクッキーを食べようと手を伸ばす。
すると、同じようにお菓子を取ろうとした大きな手とぶつかった。

「おっとごめんよ、君から先にとってくれ。」

大きな手の持ち主は、白い布を被ったままバツが悪そうに頭をかいた。
僕はこの声に、聞き覚えがある。

「すいませんレンジィさん。レンジィさんから先にとってくださいよ。」
「あ、その声は碧君か?なーんか元気ない声出してるけど、どうした?」
「いや、何ていうか、この島の人たちのエネルギーはすごいですよね……。
 カジキマグロとかハエとかマスクとかフリルとか全部自前でしょ。
 僕今日で寿命3年くらい縮みましたよ……。」
「あはははっ。こういうのは楽しまなきゃ損だぜ?島にはこんな娯楽は少ないからな。」
背の高い幽霊は、そう言って菓子を一つつまむ。
「レンジィさん余裕ですよね……僕そんなに大人じゃありませんから。」
「相当疲れてるみたいだなぁ。一旦マスク外して外の空気でも吸ってきたらどうだい?」
それも一理ある。視界が悪い上に仮装してのこの騒動だったから、余計疲れているのかもしれない。

「そうですね。僕、外で休憩してきますよ。」
「それがいい。そうだ、この菓子食っていきなよ。ちょっと手が汚れるけど美味しいぞ?」
僕はレンジィさんが食べていたお菓子に目を移した。
ホテルで出てくるような銀色に輝くトレーの上には、密を絡めた芋菓子が光を受けて輝いていた。
言われるがまま、その芋菓子を頬張る。懐かしい味が、口の中に広がった。
「ああ、これ大学いもですね。作りたてだとこんなに美味しいんだなぁ。」
「ダイガクイモ?その菓子の名前かい?」
「ええ。ちょっと前に作ってもらった事もあるんですよ。じゃあ僕、ちょっと外してきます。」
幽霊はひらひらと手を振った。僕も手を振りつつ、部屋を後にした。


★★★


秋も深まってか、外の空気は思いの外冷たい。
だが夜空に浮かぶ星達のパノラマは、壮大で美しかった。
僕は口の中の大学いもの余韻を噛みしめつつ、マスクを取り地べたに腰を下ろす。

「美味しかったな、懐かしいというか……でも最近食べたような。」

頭の中で何かが引っかかる。僕が大学いもを前に食べたのは、確かこの島だった。
だが料理職人さんに作ってもらった記憶はない。何せその時は遺跡の中だったはずだ。
とてもナコちゃんの作れる味ではない。じゃあ誰が――

そこで僕の思考は止まった。獣のうめき声が聞こえたからだ。

うめき声はじわじわと、しかし確実に近づいている。僕は戦慄した。
ここに集まっている島の冒険者達なら難なく追い払う事が出来るかもしれない、
だが僕にはその力は――

「あらあら、陽炎の灯に魅せられて招かれざる客まで呼んでしまったようですわね。」

とっさに僕は声の主を確認する。思った通り、そこにはイベンターの女性が立っていた。
これでは僕だけではなく、彼女まで危ない。

「あの!早く中のみんなに知らせて……」
「折角の催しを台無しには出来ませんわ。」

女性はきっぱりとそう言った。そして一歩一歩と獣達に近づく。


「よくもまぁ畜生如きがおめおめと。無駄死にしたくなかったらとっとと帰んな。」


寒気がした。その声の恐ろしさと――懐かしさに。
頭の中で何かが一つに繋がった。
懐かしい味、懐かしい声……僕は、この人をよく知っている。

一方獣達は、女性の雰囲気に飲まれて一目散に逃げ出した。
女性はそのまま、何事も無かったかのように館に入ろうとする。


「貴女は――『彼女』でしょう?ナコちゃんをいつも守ってくれた――」


女性は一瞬立ち止まったが、また振り向くことなく歩いて行った。



To be continued...

-----------------------------------------------
※今回パーティー参加者である方々、またお菓子をお借りしました。
 レンジィ=ア=イーオ(176)様
 榊丹(406)様
 ピーチ・チャイム(494)様
 クインス(588)様
 テン・テンテンテン・テジマア(666)様
あとパーティーにお菓子を差し入れして下さった方々、皆様に感謝を。

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HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
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