惚れ薬投与祭り その2

いよいよ偽島再開が近づいてまいりました。
それに伴い、いろいろとお知らせがあるのですよ。


●狙撃チャット前夜祭始まるよ！
ついにこの日が来ました。
やべぇまだ弾丸詰め込んでないよ！12日0：00ってもうすぐじゃないか！？
規約はちゃんと読みました。ハイ。

●『偽島ごきげんよう』イベント特設ページ作りました
あまりにも情報量が多くなったので別ページ作りました。
一日一項目ずつ地味に増えてます。
15日更新に間に合うか！？

●ウェブ拍手御礼画面にネタを仕込みました。
まぁアレだ、質よりネタで。


これから風呂入って精霊伝説宣言済ませて……
0：00までに絵を描く時間あるだろうか？（ガクブル）
……まぁいいや。無理をしてもしょうがないし。∈(･ω･)∋←駄目

と、本題に戻りますが、やっとこさイベント創作第二弾です。
どこまでもお気楽なうちのPTをご堪能ください。

一方その頃、碧は上機嫌で皆に紅茶を振舞っていた。

「みんな〜。紅茶が入ったよ。一息いれないか？」

暖かい湯気のたつ紅葉色の飲み物が、その場にいたナコ、オウミにも渡される。

「アラ、碧にしては気が利くじゃない〜。早速いただこうっと。碧も飲みなさいよ。」

ナコは口で飲み物を冷ましながら、カップの中の液体をこくりこくりと飲み出す。
碧もオウミも、何の迷いもなく紅茶を飲み始めた。
数分後――

「？！げほっ、げほっ……！！うぅ、喉が……」

はじめにオウミが喉を押さえて悶絶しはじめた。懸命に吐き出そうとするが、うまくいかない。
その様子に驚いた二人も、すぐに異変を感じ取った。

「ちょ……何よコレ！？喉が、焼ける！！」

ナコも顔を歪めて苦しみ出す。碧に至っては一言も出せないらしい。
地べたを這い、手元にあった草を毟り取ったナコは、必死の形相で碧を睨みつける。

「あ……碧、アンタ、紅茶に、何の毒、盛ったワケ……？」
「ぼ、僕は、毒なんて、全く……」

お互いギリギリの精神状態の中で言葉を絞り出していた。
そして混迷を極める思考の中で、碧は頭を巡らす。
茶葉は島のコンビニで買った市販品である。
ベルガモットで香りをつけたアールグレイ、コンビニでも人気の一品だ。
紅茶を淹れる際に生水であたらないように、十分に水は沸騰させた。
茶葉と水があればお茶は淹れられる。今回はみんなストレートで飲んでいた。
後は――
そこまで思い出した所で、碧の頭に一つ引っかかった。

――『LABO』に置いてあった、ブランデーだ！！

常に奇怪な薬品を研究しているハーミッドの研究室にあった小瓶である。
あの時はブランデーと認識してしまったが、
よくよく考えればそんな普通の液体が『LABO』に置いてある訳がない。
酒があるとしても、99.9％エタノール溶剤か洗浄用メタノールがせいぜいだろう。
碧は己れの不用心さに心底後悔しながらも、それを言いだせずにいた。

「……恨みますよ、先生……。」

誤認したのは自分であるという事実は、かすみゆく意識の中では思い至らなかったのであろう。
まずオウミが口から泡を吹いて倒れ、次にナコがその場に崩れ落ちた。
目に映る仲間達の様子をぼんやりと眺めながら、
本気で死ぬかもしれないと脳の片隅で考えながら、碧の意識も薄れていった。



★★★



「おや、これはどうしたんでしょうねぇ。」

半分になってしまった新作の行方を捜すべく辺りを散策していたハーミットだが、
キャンプファイアーの周りで倒れている仲間達を見て自分の顎をつかむ。
カップに残った残滓の色素を見て、それが探していたものの仕業だと察しはついた。

「成程、こういう副作用があるのですか。やはり生物実験は欠かせませんね。」

不気味な言葉を吐きつつ、自分の所持品から紙束をとりだした。
そのまま昏倒している碧の隣に座り、紙にペンを走らせ始める。
しばしあたりは静寂につつまれ――
そして、碧がむくりと起き上がった。

「気が付きましたか。気分はどうです？」

自分が劇薬を作った主犯であるにも関わらず、いけしゃあしゃあとハーミッドは言い放つ。
おそらくは、彼に罪悪感など無いのであろう。
代わって碧は暫くハーミットを眺めていたが、
だんだんと陶酔した表情になっていった。

「……先生、僕、変、なんです……。」

頬を紅潮させながら、碧は呟く。

「それはそれは。どうやら、面白いものが見れそうですね。」

そう言って、ハーミットは不敵な微笑を浮かべた。


（つづく）