或る旅人の手記＜プロローグ＞

またまたソレンティアです。（偽島日記テンプレもやれよ）
偽島もそろそろ日記を書いておかねばならないのですが、
どうもPLのテンションが低く。（汗）

でもウサミミ企画には参加しますよ！ええ！

高校生合宿あと2日分日記残っているのにどうするんだよ。自分。
ウサミミ企画をこのブログでやってもいいかなぁ？
などと思いつつソレンティアの日記テンプレ。（駄目）
こちらはもう、一つのブログ小説だと思ってください。

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この世には小説より奇なるものが多い。
ここに或る一人の少女の事を綴ろう。



その少女はある計画により産まれた。
いや、作られたと言ってもいい。
なぜならば、
その娘は『有り得ない組み合わせ』から出来ているのだから。


機精界の雄、レグナヴェーダは
その大きな繁栄の中、一つの大きな問題を孕んでいた。


それは、次世代の創造。種の存続。


錬金術により偽の命を得た彼らにとって、
自分の遺伝子を伝える手段は、極めて重要な問題だった。
しかし、彼らは所詮仮初の命。種を繋ぐことなど泡沫の夢。
そう、誰しもが思っていた。


しかし、居るのだ。純粋に『命』を持ったヴェーダが。


信じられないお話だと考えるだろう。私もはじめは耳を疑った。
だが方法はあるのだ。魔法陣を介さずにヴェーダを作る方法が。


こんな話がある。
或る高位のフォウス・ヴェーダが、戯れに人間の女を買った。
試してみたかったのかもしれない、自分の『種』としての可能性を。
女は無知な娼婦だったが、ヴェーダの子を孕んだ。
そして産まれた子供はすぐにヴェーダの子だと分かったが、
女はそれを娘には教えなかったし、
男もそれを知ることはなかった。
ただ、女は酒に酔うと事あるごとに呟いたという。


「アチュリン、あんたなんて産まなきゃよかったわ……」


その言葉は、いつも毒として無防備な娘に投げかけられた。

そして10年の日々が流れた。
娘は娼館の雑用をこなして生きてきたが、
ついに娼婦として客を取る日がやってきた。
その10歳の誕生日の夜に、少女は娼館から姿を消したという。



それから4年が経ったそうだ。
少女の行方は、誰が知ることもない。
もしかしたら、案外近くに居るのかもしれないが。


（その数日後、手記の数ページが破り取られたようだ。それと同時に、旅人も姿を消したという。）