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  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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随分と更新していませんでした。
まぁいつもの体調不良です、私の場合はいつもの事です。

起きだして見たら雪とか降ってて噴きました。
皆さま、風邪など引かないように寒さ対策は万全に。

さて、どんだけの人がここをご覧になっているか分からないのですが、
ちょいと所用で仙台行きが確定しました。
というわけで、

仙台で遊んでくれる人を募集してみる。

まぁね、日程が3/11~3/13だから無理は承知です。
だって平日だしね。
もし3/11の夜もしくは3/12のお昼くらいにお暇な方な方は、
拍手か伝言(872)でお伝えくださいませ。
私に会ってもいい事って考えつかないけれども。


さて、ではちょっと前に書いた第参話を格納しておきますね。

~Erste Liebe 第弐話 『知得』~


自分が何故泣いているのか、分からなかった。

碧が夜、テントから出て行くのを見て違和感を感じた。
夜は魔物に襲われる可能性が高い、そんな事が分からない程の馬鹿ではないはずだ。
最初私は、かったるく思いながらも
知り合いの死体を見るのは目覚めが悪いと碧の後をつけて行った。

行きついたのは、意外な場所だった。

あの人が野営をしている、その場所に碧は座りあの人と話をし始めた。
私の鼓動が早くなっていく。一体二人は何を話しているのだろう。
私は知りたいという気持ちを抑える事が出来ず、気づかれないギリギリの草木の影まで近づいた。

そこで耳にしたのは、私を拒絶する言葉。

嘘だ。
あの人からそんな言葉が出るなんて、信じたくはなかった。
けれどもあの人の口は、他人事のように私を扱う。私から距離を置こうとする。
その言葉一つ一つが、私を切り刻む。

そして、呆然と立ち尽くしている所で碧と眼が合ってしまった。

私は頭が真っ白になった。この状況で、私は何を言えばいい――?
それよりも、『私が知っている』ことを彼に悟られたくなかった。

「な……なんでもない。なんでもないからっ!!」

それだけを言い残し、私はその場から逃げだした。
卑怯だというのは分かってる。しかし今の私には、こうするしか出来なかった。


★★★


どれだけ走っただろう――鬱蒼と茂る木々をぬいながら、私は泉の畔までやってきた。

誰の気配も感じないのを確認して、頬を濡らしていた涙を拭った。

――私はどうして泣いているのだろう?この気持ちは何だろう?

頭にふと疑問が浮かぶ。しかしいくら考えても、答えは出なかった。
誰かに相談できればどれだけ楽だろうかと考えたが、生憎私にそんな相手は近くに居なかった。
これが他の事ならレンジィさんに相談するのだけれど――そんな事、出来る筈がない。

だってこれはレンジィさんに対する私の気持ち。そして、彼を困らせている元凶。

思い返すとまた胸が張り裂けそうになる。
狂わんばかりの狂気を抱いた私は、どうすれば楽になれる?

その時体の中心がほんのりと暖かくなった。まるで私自身に呼応するように。

これは……『彼女』の合図だ。
私の内に眠っている『彼女』が表に出たい時に出す、シグナルのようなもの。
この時私の頭に一つの考えが浮かぶ。
そうだ、『彼女』――アナーニャに全て聞いてもらおう。
もう一人の『私』は、少なくとも私よりは人生経験が豊富である筈だから。

とりあえず私は、手持ちのスケジュール帳に自分の疑問や気持ちを書きなぐった。
レンジィさんに拒絶されたこと、今胸にある焼けるような気持ち、
この気持ちの正体、そして自分はどうしたらいいのかを書いた後、
私はアナーニャを呼ぶため、意識を研ぎ澄ました。

★★

暫くして、私は目を覚ました。1本の大木に寄り掛かった状態で意識を失っていたらしい。
手には私のスケジュール帳と、反対の手にシャープペンシルが握られていた。
私に分からない事があった時、こうやってアナーニャと筆談する事がいくつかあった。
今回も、もしかしたら何か書いてくれているのかもしれない。
私は、スケジュール帳の開かれたページをめくった。

『アンタは一体どうしたいの?』

最初のページにはこれだけが書いてあった。私は頭を巡らす。
レンジィさんと仲良くしたい。私がレンジィさんの一番でありたい。誰にも邪魔なんてされたくない。
酷く利己的だと感じたが、ここは自分に正直になることにした。
自分の気持ちを整理して、次のページを開く。

『その男の隣に女が居て、楽しそうに話していたら、どう思う?』

そんなのは嫌。彼の隣には自分が居ないと嫌。絶対嫌。
私の中から堰を切ったように感情が溢れてきた。その感情に押し流されないように、必死で耐える。
たまらなくなって、私は恐る恐る次のページをめくった。


『譲れない気持ちがあるのなら、それは恋だと人は呼ぶんだよ。』


私は目を見開いた。同時に心臓が大きく脈打つ。

――これが、恋?こんなに苦しいのが、恋なの?

恋なんていうものは、もっと楽しいものだと思っていた。
人を想うということが、こんなに苦しいなんて及びもつかなかった。
それでも、譲れない。こんなに自分を締め付けるのに、譲ることが出来ない。
きっと、これが本当の『恋』というものなのだろう。

しかし自分の気持ちに気付いた所で拒絶されているという事実は変わらない。
思いが受け入れられるのは、無きに等しい。自覚しても待っているのは絶望だけではないか。

冷静な自分が心の中で呟く。私は目の当たりにした現実に引き戻された。
――私は一体どうすればいいのだろう。
絶望を抱いたまま、私は次のページを開く。


『自分の思う通りにやればいい。走って足掻いてそれでも駄目なら、一緒に泣こう。』


涙が零れた。私はスケジュール帳を握りしめ、歯を喰いしばってひたすら泣いた。
そうだ自分は一人じゃない、自分の抱えた痛みも全て『彼女』が分かち合ってくれる。
ひとしきり泣いたら、心の霧がすっと晴れていった。

私はまだ何もやってないじゃないか。チャレンジする前に諦めるなんて自分らしくない。

レンジィさんには複雑な事情があるのかもしれない。でも彼の事を一番好きなのは自分だという自負がある。
彼が痛みを抱えているなら、私はその痛みごと受け入れてあげる。『彼女』がそうしてくれたように。

「いっぱい泣いた。弱音も吐いた。だから今からは、前に向かって突き進もう。」

私は泉の水で軽く自分の顔を流し、湖面に映る自分の顔を覗いた。
眼が真赤に腫れていた。全くもって、酷い顔だ。しかし、口元には笑みを浮かべていた。

――もう大丈夫。何を言われても、泣いたりなんかしない。

その時、遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。
私は立ち上がり、軽く土を払った後声のほうに向かって行った。


To be continued...
 

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HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
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