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  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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お久しぶりでございます。
最近、めっきり体力ゲージの少ない自分に辟易しつつ、
緩めスケジュールで動いております。

まぁ、スレタイにもあるのですが、

オフレポまだ書けてないからっ!

もうそろそろね、書かないととか思うのですが、
人のも読んでいないという有様。
ごめんね、ツッコミは後でいくらでもやる。

ということで、溜まったイベント日記格納をば。

追記:よし!犬マユゲの人と魔王様のブログ確認したけど、
    誰もオフレポ書いてないNE!(゜∀゜)<魔王様はデフォなので除く


 
〜Anfang vom Ende 逆〜



「……何故?お前にそれを知る権利があるとでも?」

喉の奥で低く笑う。

「あるはずだ、僕の命は僕のものだから。」
「自惚れるな!貴様如きの塵芥が命などと、小賢しいわ!」

男の咆哮が七色の海に響き渡る。
僕は何も言わぬまま、後ろを振り返った。

憤ってはいけない。それこそ相手の意図する所なのだから。

ゆるく束ねられた長い銀髪に、視線を全て覆った目隠し。純白の羽根。
黄金の鎌を手にしたその姿は、天から死神が舞い降りたようだった。

「冥土の土産に教えてやろう、俺の名はアルコロック。
 『全てを狩る者』の片羽にして、運命を握る者。」

そう言ってアルコロックは、僕に向かって金色に輝く鎌を振り下ろした。
僕は微動だにしない、いや出来ない。

「……この場に及んでも瞼さえ動かさないとはな。」

アルコロックが口を綻ばせる。
この恐怖に耐えられないようでは、この男と戦うことすら難しい。
臆病になる余裕なんて、ない。

「気に入った。いいだろう、貴様の命を少しだけ延ばしてやろう。」

一瞬驚いて目を見開いた。神の戯れか?そんな馬鹿な。
僕は喜ぶ気にはなれなかった。なぜならば、大概こういう場合には条件がつく。
大方の予想は当たっていた。だが。

「……ただし、桜庭撫子を殺してくること、それが前提だ。」

――ナコちゃんを、殺せ……だと?
あまりの要求に僕は体を強張らせた。

「安心していい、あの娘はすでに我々の手に落ちている。
 いわば、抜け殻状態の肉体の心臓を止めてくるだけだ。」

対面の男は、楽しそうに僕の表情をうかがっている。いや実際、楽しいのだろう。
だが考えろ、もし奴の言う事が本当ならば――だけど――。

『お前は、二者択一の場では必ずハズレを引く。』
『お前の置かれた状況は、選択出来うる限りで最悪のケースだ。その下はない。』

困惑している僕の脳に、カスケードからもらった『鍵』が蘇る。
もしカスケードの言う事が正しかったと仮定してみよう。
そうすると僕が必ず『ハズレ』を引いていて、今の現状が選択できる限りで最悪のケースだという事になる。

それは即ち――奴は、嘘をついている。

僕はカスケードとアルコロック、どちらが信じるに足るか秤にかけた。
そして――カスケードを選んだ。

僕は今喉元に刃を突き付けられ、ギリギリの所で生きている。
これが最悪だとするならば、ナコちゃんはこれ以上……少なくとも生きているのは確定だ。
かつ僕が『ハズレ』を引いてあいつが来たのなら、ナコちゃんは『当たり』を引いているはず。
僕でさえ殺されていないのだから、
彼女だって無事とは言えないかもしれないが奴等の手には落ちていないと確信した。

「……どうして僕が、彼女の心臓を止めなければならない?」

僕はアルコロックの出方をうかがうことにした。

「貴様の知る所ではないが、あの娘は別の魂を内包している。
 お前の手で殺す事によって『異物』の方を分離させるのだ。」

ならば、何故分離する必要がある?葬るのは同じなのに。
殺し方に差があるかなんて僕には分からないが、
どう聞いてもアルコロックの言葉には確信に足るものがなかった。

「そう警戒するな。依り代の魂に危害を加えないための処置だ。お前達も魂まで道連れに消去されたくないだろう?」

――嘘だ。
どんな生き物だろうと、心臓を貫かれれば命は尽きる。命に例外は、ない。
魂がどうなろうと、ナコちゃんが『死ぬ』事実は変わらないじゃないか。
ならばどうしてそんな戯言を弄する?

恐らく奴は消したいのだ、僕でもナコちゃんでもない――『異物』である第3の存在を。

だから奴は僕に真実を話さない。僕に真意を悟らせないために。
つまりこの男の言っていることは、全て――『逆』であり、偽り。

「俺は無関係な人間の魂まで消そうとは思わない。協力してくれないか。」

人の首まわりに鎌を突き付けておいて、よく言ったものだ。
しかし、これで奴の狙いは分かった。ナコちゃんが内包していた――『彼女』を葬ること。

――さて、これからどう動く?

奴の指示通りに動かなければ、この鎌が僕の首を刈り取るだろう。
そうなってしまえば、ナコちゃんさえ救えない。その時。

『奴等は自分達の握る運命の外に居る者には何もすることが出来ない。』

またふと、カスケードの言葉が蘇った。
これが『鍵』だということは分かるが、「運命の外に居る者」とは一体何なのか。

僕はフル回転で思考を働かせる。何か忘れた事は――。忘れた事、忘れた――。


――何かを忘れて、無いか?


僕の中で心臓がびくりと動いた。
そうだ、奴も僕も『あるもの』を忘れている。そして『あるもの』は……この僕に、勝利をもたらす。必ず。

「……いいだろう、アルコロック。貴方が僕の条件を飲んでくれるなら、僕も力を貸そう。」

僕は一歩踏み出した。さぁ、ここからが勝負だ。

「お前を殺すな、という条件は飲み込めんぞ?お前の肉体を殺すのが俺の仕事だからな。」
「……だろうな。そうでなければ首元に鎌など突き付けないだろうから。」
「聡いじゃないか。ならば死ぬ前に何が望みだ?」
「ある人間の首を持ってきて欲しい。」

こう僕が言い終えた後に、アルコロックは突如笑いだした。

「ククク、貴様、そう言って俺にあの娘を殺させる気だったか。
 自分の手にかけるのは忍びないものなぁ?
 だが甘い。桜庭撫子の首が前提条件にある限り、その頼みは飲めない。」
「安心していい、アルコロック。僕が求めているのはナコちゃんの首じゃない。」

ここまで言って、はじめてアルコロックは僕に警戒心を向けた。
だがもう遅い。


「僕が望むものはオウミ=イタドリ、ジェラルド=ハーミット、この2名の首だ。」


アルコロックが露骨に口を歪める。
そう、僕も奴も彼等の事を忘れていた。もしかしたらアルコロックは、意図的に僕にそれを伝えなかったのかもしれない。

いつも傍に居てくれたオウミさんと、ハミ先生。

僕とナコちゃんだけ狙われて、どうして彼等が狙われないのか。
答えは明白だ。『彼等の握る運命の外に居る者』だから。
つまりはどんなにアルコロックが強かろうが、運命を握ろうが、
彼等とは全く関わりを持たないオウミさんやハミ先生には手を出す事すら出来ないのだ。

「貴方が全ての者の運命を握るのならば、簡単な筈だろう?」

僕のあからさまな挑発に、アルコロックは奥歯をギリリと噛む。

「……貴様……言わせておけばっ!!」
「それとも神の従者とは、人間の言った事すら飲み込めない程愚鈍な生き物なのか?」

怒りに任せて振り上げられた鎌が、ぴたりと止まる。

「そのまま僕を殺すなら、誇りを失ったお前も地へと堕ちるだろうな。」

これは、いつぞや読んだ聖典の話だ。
誇りを失った天使など家畜より劣る、とそこには書いてあった。

『アルコロック、お前の負けだ――神の眷族でありたいのならば、引き際を心得ろ。』

ふと、あたりに声がこだまする。
アルコロックと僕が当たりを探るが、声しか聞こえない。
奴は何かを飲み込んだように、口を緩めた。

「クククッ……いいだろう。今回はこいつを生かしてやろう。
 お前にはこの俺を謀った褒美として、素晴らしい『絶望』をくれてやるよ……。」

その言葉を残して、アルコロックは吸い込まれるように空へと飛び立って行った。
黄金の鎌が、日光を反射して煌めき――そして。

僕の足元が、二つに裂かれた。

僕は何も出来ぬまま、海へと落下していった。



To be continued......


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プロフィール
HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
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