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  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
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●10/3速報:ハロウィンパーティーへのご案内
        特設ページが出来ました。リンク先参照のこと。

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なんだか『犬マユゲはじめました』さんから捕捉して頂いたようです。
ありがたや~。

それにしてもオウミさんの人気は異常。
すっかり割烹着の似合うお母さんになって。(ノー`)
我がPTでもすっかりお母さんポジションです。
っていうか、ハミ先生の∈(・ω・)∋は教育し直す。ごめんまじで。

そしてこちらが沈黙している間に、
『偽島ごきげんよう』に参加して頂いたトライさんから

「いい加減何か裏イベント起こしましょうよ。」

的なエールが届いたので決めました。

ハロウィンパーティー開催します!

参加者が少なくてもいいんだ。その方が運営しやすいから。(待て
今回はあまり負担にならないようにユルくRPに任せるイベントがいいなと思います。
期間は58更新回・59更新回を準備期間、
60更新回・61更新回でイベント開催の予定にしております。
詳しい事は別記事にて。


というわけで全く関係なく個人イベント日記を載せておきますね。



~Erwachen 第呬話 『誤算』~
 


 

碧は遺跡外の喧騒を離れた崖の端に座っていた。
目の前に広がる海原は、静かに小波の音を奏でている。
 
――今のナコちゃんは、本物の彼女じゃない。
 
確かにあの日、ナコはオウミに連れられて帰ってきた。
最初は無事である事を喜んだが、すぐに碧は気づいてしまった。
 
『彼女』のその、真紅の瞳に。
 
それは、ナコが『彼女』になっている明確な証。
今までナコの変化を見守り続けてきたのだ、区別がつかない筈はない。
 
「……ここまではっきりと分かってしまうと、逆に辛いな。」
 
碧は両目をおさえた。
いっそ気付かなければ良かったのに。
そうすれば、ナコと再開できた幸せを感じることができたかもしれないのに。
 
――今はそんな事を言ってもしょうがない、か。
 
その日を堺に、碧の周りの空気が変わった。
オウミはどこか余所余所しく、ナコは碧に対して我儘を言わなくなった。
……もっとも、ハーミットだけはいつもと同じだったが。
 
皆が何かを隠してる。それも自分だけに。
 
鈍感な人間なら意に介さないかもしれないが、
あいにく碧は敏感に空気を読む人間だった。
そして――
何故皆が自分だけを真実から遠ざけるのか、碧には見当がついていた。


――いつからだったろうか。
自分の中の『アイツ』の存在を強く感じ始めたのは。
おそらく自分の考えが正しければ――ナコがデジャヴに怯えたあの日からだ。
あの日以来、影に纏わりつくように『アイツ』は近くに潜んでいる。
 
「……明日、今日よりも好きになれる。
 溢れる想いがとまらない。
 今もこんなに好きでいるのに、言葉にできない……。」
 
この島に来る前に好きだった歌を口ずさむ。
ナコの事を想う時、いつもこの歌が頭に浮かんでいた。
今は、自分の気持ちを確かめるためにワンフレーズだけ声に出す。
節が終わって、碧はすっと立ち上がった。

「……いるんだろう?いい加減姿を現わしたらどうだ。」

碧は凪の海を見据えたまま、『影』に向かって問いかけた。

★★★

一方、その頃。
他のメンバーは篝火を囲んで食休みに入っていた。
 
「そういえば、碧君がいませんねぇ。」
 
珍しいことに、ぽつりとハーミットが呟いた。
 
「……へぇ、アンタでも他人の行動に興味があったんだ?」
「撫子さん、私のことを何だと思っているんですか。」
 
口の先では抗議めいた事を言ってはいるが、
ハーミットは至って冷静にカップのコーヒーを啜る。
 
「……あの、ハーミット先生。
 先日説明したように、この人はナコさんではなく……」
「別人格なのでしょう?いいじゃないですか見た目は撫子さんですし。
 個人を識別する符号というものは一定じゃないと不便なんですよ。」
 
オウミの説明に耳を貸そうともしない。
そんなやりとりを傍観していた『彼女』は軽くため息をついた。
 
「つまりは分けて呼ぶのが面倒なんだろう?
 いいけどね別に。それよりも『ナコ』を元に戻す方法を考えるべきじゃないか。」
 
『彼女』は武器の手入れをしながら二人に言葉をかける。
それぞれの武器のまん中に埋め込まれた紅い宝石と蒼い宝石がほんのりと光を帯びた。
 
「まずは状況を整理すべきですね。
 聞いた話では、碧君の別人格が撫子さんの……そうですね、仮に表の人格としましょうか。
 その表の人格を壊してしまった、そういう事ですか。」
「端的に言うと当たってる。別人格と言うよりは全く別の魂なんだけど。」
 
そこで『彼女』は表情を少し曇らせ、武器を置いた。
 
「『アイツ』の目的は、『ナコ』の躰の宿主を私にすることにある。
 転生輪廻を通して、私と添い遂げる気なんだよ。」
「そんな無茶な……!第一、碧君には碧君の魂が宿ってる。
 それをどうやって……」
 
言いかけてオウミは言葉を止めた。ある考えに思い至ったからだ。
 
「……もしかして、今度は、碧君を……!?」
「だろうね。同じ手を使って、器を手に入れるつもりだろうさ。
 だから一刻も早く対策を考えないといけない。
 言っておくけど『アイツ』は用心深くて聡いよ。生半可な方法は通用しない。」
 
『彼女』の言葉に皆が押し黙る。ここにいる者は良くも悪くも策略には疎かった。
ハーミットは具眼の士であったが、いささか偏狂でもあった。
 
「……そういえばハーミット先生、何か碧君に用事でもあったんですか?」
 
オウミは一抹の希望を持ってハーミットに問う。彼の知識があれば何とかなるかもしれない。
 
「いや全くの別件なのですが。私の部屋にあった試薬が無くなっているんですよ。」
「……試薬?」
「一応劇物ですからね。私のモルモットが誤飲すると面倒です。
 試薬を置いてあった場所に最近入ったのは碧君でしたから心当たりがあるかと思って。」
「またこんな時に何を……」
 
思いきり肩すかしをくらった『彼女』はがっくりと肩を落とした。
だが。
 
――もしも、『アイツ』と同じ思考回路を碧が持っているとしたら?
 
記憶をフル回転させる。私の知っている『アイツ』は――
 
「……そこ二人!急いで碧を捜すよ!!あの子はおそらく――」
自分の考えを一方的に言い終えて、『彼女』は駆けだして行った。


★★★
 

『いつから気づいていた?』
 
碧の言葉に応ずるように、虚空の闇から朧な人影が出てきた。
背後に気配を感じると、碧は後ろに向き直る。
藍色の髪に二本角を生やした長身の男、何度か自分に干渉してきた男。
忘れるはずがない。
 
「お前が積極的に動き出してからさ。躰を乗っ取られた事もあったしね。」
 
抑揚のない声で碧は答える。『彼』は碧を見降ろしながら喉の奥で笑った。
 
『だが気づいてどうする?お前に何が出来る?
 もしや『ナコ』とかいう器の魂を救う事が出来るなんて夢想してる訳じゃないだろうな?』
 
明らかな嘲笑だった。しかし碧は動じない。
 
「お前こそどうするつもりだ?
 『彼女』はナコちゃんの代わりになった。……おそらくはお前の計画通りに。
 だが依り代のないお前には、『彼女』に触れることすらできない。」
 
碧はじりじりと『彼』と距離を取る。もう少しで崖から落ちるという所まで下がって、止まった。
 
『簡単なことだ。
 ――俺にも『器』を用意すればいい。』
「そう来ると思っていたよ。」
 
碧はそう言って懐から小さな小瓶を取り出す。
 
「お前は『彼女』を手に入れたつもりなんだろう。
 だがな、それは僕という躰がないと成立しない話だ。」
 
余裕すら感じ取れる碧の口調に『彼』は違和感を覚えた。
何の力も持っていない『器』に、何が出来るというのか。
――そして、『彼』はようやく碧の意図に気付いた。
 
『貴様……やめろっ!!』
 
『彼』の制止など聞くこともなく、碧は小瓶の中の琥珀色の液体を飲み乾した。
 
『馬鹿か貴様は!自分の命を捨てて何を得ることが出来る!?』
「得るものなんてないさ。
 それでも僕は、この焦がれる想いを諦めるつもりはない。
 例えそれが、全てを失う結果となったとしても。」
 
勝利を確信したように、碧は微笑を浮かべる。口の端から、鮮血が一筋滴り落ちた。
 

「僕は目的の為なら手段を選んだりはしないんだよ。」


それだけ言い終わると、碧の躰は崖から滑り落ちる。静止するものは、ない。
思いもよらぬ誤算に、『彼』はその場で歯ぎしりしながら佇んだ。
 

――明日 今日より笑顔になれる
  君がいるだけで そう思えるから
  何十年 何百年 何千年 時をこえよう
  君を愛してる――
 
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※今回随所にてGReeeeN『キセキ』の歌詞を引用させて頂きました。
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【予告】
 命を使った奇策。それは確かに精巧なパズルのピースを歪ませた。
 歪みはゆっくりと、確実に綻びを生んでゆく。
 第伍話 『矛盾』は第47回更新回掲載しました。
 ブログ補完は今暫くお待ちくださいませ。

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HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
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