忍者ブログ
  まったりセツナの偽島&その他ネトゲ日記。 本人脱力系なので、脱力して読んでください。
Admin*Write*Comment
[95]  [94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86]  [85

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




●お知らせ:
「ダンスマラソン大会」とお花見の打ち上げチャットを開催してくださるそうです!
全コメはもう少し待って!!(駄目主催者)
-----------------------------------------------------------------------

最近自分の方向性が変わりつつあります。
まぁね、もう『可愛い』って歳でもないし。
誰とは言わないけどお前は可愛くねぇ」って言われたし。

さて、カッコイイというのはどういう人でしょうか?
この『カッコイイ』ってのも最近趣向が変わってきました。

「高橋英樹カッケー。」
桃太郎侍を見ながら呟いた時には
真摯にそう思いました。

だがしかし。

今期一番カッコイイと感じたのは、
『BOSS』第1話の天海祐希だった。

いやあれはレベル高すぎる。見習いたいと思っても。


と、それでは長らくご無沙汰だったイベント日記を格納しておきます。

~Erste Liebe 第四話 『決意』~



――彼女になんて言えばいい?

僕の頭の中には、この言葉だけが反芻していた。

「……そうだ。俺に彼女を追う気はない。追って彼女に伝えるべき言葉も、俺の中にはない。――」

彼ははっきりと僕に言いきった。真っ直ぐな言葉を。

彼の気持ちが固いことは、その瞳が雄弁に語っていた。
例え彼女が泣いて取り乱しても、決意は変わらないだろう。
それに――心を引き裂かれる彼女を見たくはなかった。

いや、それは僕の欺瞞だ。

こうなることは分かっていた筈だ。
仮に彼女があの場に居合わせなかったとしても、いずれは見えてしまう現実。
僕はそれを望んだ。望んだから、自ら手を下した。
奴の存在は言い訳にならない。
彼女の不幸を心の底から求めたのは他ならぬ自分なのだから。

森の中は相も変わらず闇が蠢いている。今の彼女を一人にしておくのは危険だ。
僕が出来ることは殆ど皆無だが、魔物から庇うくらいは出来るかもしれない。
所詮一度は捨てた命だ、彼女の為になるのなら差し出しても構わない。

――この際、『彼女』が出てきてくれていたら――。

『彼女』なら、魔物など跡形もなく一掃するだろう。とりあえず命の心配はない。
まずは彼女の身の安全だ。僕の弁明など、その後で考えればいい。

僕はランタンを片手に急いだ。少しずつ視界が開けてゆく。
月の光が射し込む湖の畔――そこに彼女は居た。


★★★


彼女――ナコちゃんは一人湖面を見つめていた。

まず5体満足であることを確認して、胸を撫で下ろした。
魔物の気配も感じない。僕の案じていたことが杞憂であったことにとりあえず安心した。

「……ナコちゃん。」

一歩踏み出して、僕は声をかけた。それしか出す言葉が見つからなかった。
ナコちゃんは即座に振り返り、目を大きく見開く。
だがそれは一瞬のことで、すぐ彼女の睫毛は伏せられた。

誰と間違えたのかは、すぐに分かった。

しかし僕はそれを口に出す事は出来ない。言ってみたところで彼女を貶めるだけだ。
彼女の瞳は澄んだ飴色――いつものナコちゃんのものだった。
ただ眼の縁の赤い腫れが、彼女の気持ちを正直に表わしている。
僕の心臓が強く握りつぶされていった。

「レンジィさんは、来ないよ。」

ようやく一言だけ声を絞り出した。
こんな時、どんな顔をすればいいのだろう。自分がどんな表情をしているのかもわからない。
何も出来ない口惜しさに、拳が震えた。
ナコちゃんは、遠目で湖を眺めたまま口を開いた。

「……そっか。」

彼女の言葉はこれだけだった。
そして、僕の方へ向き直り、唇に笑みを乗せる。
穏やかな笑みだった。僕の知り得る限り、彼女はこんな微笑みを『作る』ことはしない。

――もう全て受け入れることが出来たのだろうか。

もしそうだとしたら、僕も自分の役割を果たさなければならない。


「もしも、今のような状況になってもなお、まだ俺に何か伝えたい事があるのならその時は――
 俺の所まで来てそれを伝えてほしい。俺も答えを出すから。」


僕はレンジィさんに託された言葉を一字一句違わずに伝えた。
ナコちゃんの黒髪がさらりと靡く。再度その瞳が瞬かれた。

「……こう、レンジィさんが言ってた。」

これ以上何を言えばいいのか。
絶望を前にすると、人というものは言葉を失うものらしい。

しばらく、僕達の間に沈黙がすり抜けた。

ふいにナコちゃんがこちらに近づいてきた。
僕は緊張のあまり顔を強張らせるが、彼女はそのまま僕の横を通り過ぎて行く。

――もしかして。

「ナコちゃんっ。」

僕は慌てて振り向いて彼女を呼びとめた。

「レンジィさんはきっと、何か事情があるからああ言って……」
「勘違いしないで、碧。」

ナコちゃんの歩みが止まった。そして軽く、こちらに振り向く。
先ほど僕に見せた、とても穏やかな笑みだった。


「私はね、自分の気持ちに正直でいるだけよ。」


それだけを告げると、ナコちゃんは僕の通ってきた道を進み始める。
僕に何が出来ようというのか。二人を謀ったこの僕に。

今はただ、せめて彼女が挫けて折れてしまわないよう天に願った。



To be continued...
 

拍手[0回]

PR



COMMENT
Name
Title
Color
Mail
URL
Text
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret

TRACKBACK
TrackbackURL:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
桜庭撫子(980/前期872)
性別:
女性
職業:
女子高生
趣味:
BL漁りと(猟奇的)料理
自己紹介:
通称:ナコ様。

京都の伊勢丹でオウミ氏PLと2時間弱で作った、最強ツンデレ女王。
設定が腐女子ですが、PLはBLをあまり知りません。
よって、サブキャラ西宮碧とのツンデレが主なネタ。
まだまだナコ様は成長しきっていませんが、
どうぞ暖かい目で見てやってくださいませ。<(_ _)>
アルカナツール
ウェブ拍手
押して頂けると励みになります。 ちなみにネタを仕込んであります。
どうぞ宜しくお願いします。(ぺこり)
メールフォーム
最新CM
[07/29 thomas sabo]
[04/11 ナコ(872)PL]
[04/10 1700の中の人]
[06/27 ナコPL@管理人]
[06/27 名探偵ブシドー]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
最古記事
Copyright © ~ Nach mir die Sintflut ~ All Rights Reserved.
photo by Kun material by Atelier Black/White Template by Kaie
忍者ブログ [PR]